あなたと私と嘘と愛

マネージャーではないその人は見るからに悠里さんの取り巻き?恋人?であることは明らかだ。

「久しぶりねぇ、元気してた?」

「……まぁ」

「今日は仕事?熱心ねぇ」

ピッタリ張り付いたお付きの男性は俺には目もくれず悠里さんにお水を渡す。
休憩用の椅子に座った悠里さんもそれを嬉しそうに受け取った。

「ありがとうスティーブ」

「ユウリのためなら何なりと」

まるで主人と執事のような関係だな。
俺は黙って心の中で息をつく。

「今日はこれで撮影は終わりですか?」

「ええ、これからスティーブと食事に行くことになってるの」

聞いてもないのにそんなことを言う悠里さんは満足そうに笑う。

「…へぇ、新しい恋人ですか?」

「ふふ、そんなとこかしら?私の大ファンなんですって」

「左様で…」

それはよろしいことで。
やっぱり来るんじゃなかったと思った俺は「俺はこれで」と笑顔にならない笑顔を張り付け二人から背を向ける。

心配した俺がバカだったと思い知る。

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