月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「女王への……反逆者?……」

ジャラールさんは、刀へ手をかけたまま、止まってしまった。

「ネシャート王女の王位継承を、誰しもが望んでいると思っていたか。」

黒づくめの男達は、薄気味悪い笑いを浮かべていた。

「幸いネシャート王女は、病に臥せっている。ジャラール王子達が、宝石を持ち帰らなければ、王女は王位を継ぐどころか、病死だ。そうすれば正当な王位継承が行われる。」

「正当な王位継承?」

ハーキムさんが、一歩前に出る。

「男子による王位継承だ。」

「男子?王族の中で王位を継ぐ男子は、いないはずだ。」

ジャラールさんの言葉に、また黒づくめの男達が笑う。


「まあいい。後でその真意が分かるだろう。今はその命、我らが頂く!」

すると、刀を抜いた黒づくめの男達が、一斉にジャラールさんとハーキムさんに襲いかかる。

だけどそこは、やはり王子と側近と言うか。

二人だけで、敵をみるみるうちに倒していく。
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