月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「それだけの理由で選ばれた人達を率いるなんて。兵隊さん達からは、不満は出ないの?」

「出ない程強く有る為に、日々鍛練している。兵隊達を率いる方法や、戦いに勝つ術も学ぶ。」

さすが王族の人達。

「ネシャートさんやラナーさんも?」

「二人は武術はやらない。その代わり、護身術は学ぶそうだ。その上ネシャート様は、民を統治する帝王学を学んでいる。」

「帝王学……」

私は息を飲む。

「生まれながらにして、女王になる方だ。先ほどの話に戻るわけではないが、王国お抱えの兵隊を選ぶのも現王と次期女王のネシャート様だ。男の裸にいちいち恥ずかしがっていては、兵隊を選べないだろうし、威厳も保てないだろう。」


生まれながらの女王か。

大変なところに生まれたなって思う。


「ネシャートさん。元気になって、本当にいいのかな。」

「はっ?」

「だって。ネシャートさん、元気になったらいづれ王位を継がなきゃいけないんでしょ?その方が大変じゃない?」
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