月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
そう言ったハーキムさんの瞳は、揺れ動かない。
「ねえ。何で二人ならって思うの?」
私の質問に、ハーキムさんは目を閉じた。
「ジャラール様は幼い頃、王妃様すなわちネシャート様の母君に育てられた。以前話したが、ジャラール様の母君は、王妃様の実の姉君。ジャラール様もネシャート様も、従兄妹同士だと思っていたらしい。」
「従兄妹……」
「そして7歳になり、教育の為にジャラール様は、ネシャート様と引き離された。だからと言って現王は、ジャラール様とあまり接点を持とうとせず、ジャラール様は、寂しい思いをしていた。」
前に聞いた話。
王様は、ジャラールさんが自分と血が繋がっていない事に苦しい思いをしていたのよね。
「そんな時、ジャラール様を支えたのは、ネシャート様だった。いつしかジャラール様は、夜毎ネシャート様の元へ通うようになり、二人は恋人同士になった。」
なぜかその情景が浮かぶ。
「ねえ。何で二人ならって思うの?」
私の質問に、ハーキムさんは目を閉じた。
「ジャラール様は幼い頃、王妃様すなわちネシャート様の母君に育てられた。以前話したが、ジャラール様の母君は、王妃様の実の姉君。ジャラール様もネシャート様も、従兄妹同士だと思っていたらしい。」
「従兄妹……」
「そして7歳になり、教育の為にジャラール様は、ネシャート様と引き離された。だからと言って現王は、ジャラール様とあまり接点を持とうとせず、ジャラール様は、寂しい思いをしていた。」
前に聞いた話。
王様は、ジャラールさんが自分と血が繋がっていない事に苦しい思いをしていたのよね。
「そんな時、ジャラール様を支えたのは、ネシャート様だった。いつしかジャラール様は、夜毎ネシャート様の元へ通うようになり、二人は恋人同士になった。」
なぜかその情景が浮かぶ。