月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「まさか。ネシャート様は、女王になられる方。臣下に下ったら余計にネシャート様との結婚はなくなる。」

「……一体、王様は何を考えているの?」

「現王は、ジャラール様の強さや我慢強さが、自分ではなく敵国の王から来たのだと、疎ましく思う事があった。
ネシャート様との事もそうだ。事実上兄妹の立場にあっても、本当に愛し合っているのであれは、裏で通じる事もできるだろうに、ジャラール様はそれをしなかった。
現王は、そんなに我慢が好きならば、ネシャート様が他の男と結婚する事も、自分が兄から臣下に下る事もなんてことないだろうという考えなのだ。」


ひどい。

そんな風にジャラールさんを、思っているなんて!!


「ジャラールさんは、何て答えたの?同盟国へ行くと言ったんでしょ?」

ネシャートさんとの結婚を断たれて、他の男と結婚するのを近くで見なきゃいけないなんて。

だったら遠くに行って、一からやり直した方がマシじゃない!
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