月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
ときわは笑って見せた。

「そんなの言いっ子無し。友達なら当たり前じゃん。」

お互い着替えながら、二人で笑い合った。


ありがとう、ときわ。

ものすごく友情を感じるよ。


着替えが終わった私達は、みんなが待つ、バスに乗り込んだ。

「はい。じゃあ、みんな乗ったわね。出発!」

神崎部長の号令で、バスはホテルを離れて行く。


「今日はみんな、お待ちかねの金閣寺に向かうわよ〜」

なせが神崎部長は、張り切っている。

「確か神崎部長の実家、こっちだよな。」

「あらま。いいところに住んでいるのね〜」

光清とときわは、途端に嫉妬の火花、バチバチ。

一般市民の私は、関わらないように知らない振り。


でもちょっと気が緩むと、瞼が重くなる。

本当はジャラールさんに会いたい。

疑われてても、ネシャートさんを思っていても、好きな気持ちには変わりない。


ジャラールさん……
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