月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
次の瞬間、ラナーの視線が鋭く刺さった。

「変な意味じゃないよ。」

慌てて両手を左右に振る。

「……当たり前です。」

そう言うとラナーは、また階段を降りて行った。


こわ〜

どれだけハーキムさんの事が好きのさ。


背中がブルッと震えたけれど、彼女を見失ったら、ハーキムさんに会えない。

なんとかラナーの後を付いて行った。


階段を一番下まで降りると、また扉があった。

「隠れて下さい。」

小声でラナーに言われ、彼女の後ろに回った。

その後、扉の向こうに衛兵が何人か通り過ぎる。


「もういいでしょう。」

ラナーはそっと扉を開けると、また小走りで行ってしまう。

待ってと言う気力もなく、ただラナーの後を追いかけた。

「一番奥がハーキム様です。」

ラナーが指差した鉄格子の中に、ハーキムさんの姿が。


やっとの思いで、ハーキムさんの目の前に、膝を着く。

「クレハ!」
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