月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「シッ!」

私は唇に人指し指を当てた。

「なぜここに?」

「ラナーに連れて来て貰いました。」

「ラナーに?」

ハーキムさんは、私の後ろにいるラナーを見ると、じっと彼女を見つめた。

眉一つ動かさない。

ラナーは二人と、ネシャートさんしか付き合っていることを知らないと言ってたけれど、本当に二人は恋人なのか、疑ってしまう。


「ハーキムさん。実は教えたい事があるの。」

するとハーキムさんは、私を鉄格子の一番端に、連れて来た。

「なんだ?」

「実は"碧のオアシス"の妖精に会ったの。」

「何?お前が?」

ハーキムさん、真面目に驚いているよ。


「妖精が言っていたの。もうこの国は、宝石はいらない。そんな物、無くても一つにまとまるって。」

ハーキムさんの手に、力が入る。

「あともう一つ!ネシャートさんの病気は、あのペンダントのせいじゃないって!違う原因が近くにあるって‼」
< 158 / 300 >

この作品をシェア

pagetop