月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
ハーキムさんは、私の話にボーッとしている。

「クレハ……君は一体何者なんだ?」

どこかで聞いたような質問。

「さっき同じ質問、ラナーさんにされました。」

すると、ハーキムさんは珍しく笑っている。

「だろうな。」

ククッといつまでも笑っているハーキムさんに、少しイラつく。

「笑っている場合じゃないですよ。 どうするんですか?」

我慢できなくて、ハーキムさんを問い詰めた。


「そうだな。まずはジャラール様に伝えなければならないだろう。」

「まあまあ、そうだよね。」

ありきたりな答えに、ありきたりな返事。


「しかしここで、ジャラール様にお会いできるのは、限られた側近だけ。」

「私は会えないの?」

「まず難しいだろう。」

あっさり否定。


「ラナーは?」

「ラナーは、ネシャート様の側近だ。ジャラール様本人に会えるわけではない。」

ガクッとくる。

どこまで厳しいだ!この宮殿!
< 159 / 300 >

この作品をシェア

pagetop