月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「じゃあ、ジャラールさんはどうやって、外の人と会ってるの!!」

「それは……」

ハーキムさんの顔は、苦痛に歪んでいる。

「普段は俺が仲介している。だが今は、ここにいる以上会わせてやる事ができない。」

胸が詰まる。

そう言えば、ハーキムさん。

私をかばって牢屋に入れられたんだよね。


「ごめんなさい。」

「あっ、いや……そう言う事ではないのだ。」

急に顔を上げたハーキムさんと、目が合う。


綺麗な瞳。

なぜジャラールさんは、ハーキムさんをあっさり疑ったのだろう。


「ねえ、どうして……私をかばったの?」

「クレハ……」

「どうしてジャラールさんは、一番信頼していたハーキムさんを、疑いも無しに牢屋に入れたの?」


分からない。

少なくても、二人は兄弟や親友のように、信じ合っていた。


「ジャラール様には、何かお考えがあるのだ。」

疑われているのに、尚もジャラールさんを信じているなんて。
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