月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
このきらびやかな宮殿に相応しい程に、厳かで強くて、何よりも美しい。


ラナーが言っていた。

この人に愛されたくて、多くの女性が集まるのだと。

その気持ちが、痛い程に分かる。

だってほら、ジャラールさんが通りすぎた女性達は、自分は選ばれなかったと言うのに、その場を立ち去れず、まだジャラールさんに見とれているんだもの。


それにしてもジャラールさん、並んでいるお姉さん達を全く見ていないけれど、本当に連れて行くのかな。

そんな事を考えていると、ジャラールさんは私の目の前を通り過ぎる。

えっ?

ジャラールさん?

私に気付いてないの!?


どうしよう!

行ってしまう‼


「ジャラールさん!!」


名前を呼んで、ハッとした。

ヤバイ……

王子様をさん付けで呼んでしまった……

口を両手で覆っても、遅かった。


お姉さん達の刺すような視線。

光清といい、ジャラールさんといい、何でこんな怖い人達が、周りに集まるかな。
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