月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
だけど収穫はあった。

ジャラールさんの口許が、"クレハ"と動いた。

やった!

気付いてくれた!


けれど喜びもつかの間。

私の前には、刀を持った人達が。

「何者だ‼王子を名前で呼ぶとは無礼だろう‼」

「す、す、すみません‼どうしてもジャラールさんに会いたくて‼……あっ!」

また慌てて口を塞ぐ。

私、また名前で呼んじゃったよ。

しかもジャラールさん、一番後ろで笑ってるし‼


「貴様……」

スーッと刀が抜かれる。

ひぃぃぃ!

ジャラールさん、笑ってないで助けて‼


「もうよい。」

刀は私の頭の上で止まっている。

「気に入った。今宵はこの者を連れて行く。」

「お、王子?」

刀は下げられ、私の前にジャラールさんが現れた。

そしてスーッと右手を差し出される。

「どうした?娘よ。私にどうしても会いたかったのだろう?」

私は返事も出来ずに、その手を取った。
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