月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
久しぶりに見た、ジャラールさんの瞳。

宝石みたいで、吸い込まれそう。


ああ、そうだ。

初めてジャラールさんにドキドキしたのも、その瞳を見た時だっけ。


「行こうか。」

ジャラールさんの腕が、私の腰に回される。

「ジャラール……さん?」

するとジャラールさんは、私の唇に指を当てた。


さっきよりも胸がバクバク言いながら、ジャラールさんの隣を歩く。

後ろからはあのお姉さん達が、まだギャーギャー叫んでいる。


「おや、珍しい事があるものですな。」

声のする方へ向くと、そこにはハーキムさんと同じような黒い衣装を着た年配の人が。

「ザーヒル。」

心なしかジャラールさんの声が低くなった気がした。


「国務の事ばかりで、女には興味がないのかと思っておりました。」

「ハハハ。偶然面白い女を見つけたのだ。」

なんだかチラッと見られた気がして、ジャラールさんの後ろへ隠れた。
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