月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「面白い女ですか。覚えておきましょう。」

するとザーヒルと言う人は、一礼してどこかへ行ってしまった。

「あの人は?」

「父……現王の側近だ。」

なんだかザーヒルって名前、どこかで聞いた事あるような気がするんだけどな。


「クレハ、覚えているか?砂漠で敵に襲われた事を。」

「うん。」

「あれが黒幕だ。」

「えっ‼」

私はジャラールさんの背中越しに、そのザーヒルという人を見た。


わ、分からない。

全く悪人に見えない。


「あっ、でもあの人達、ザーヒルさんは関係ないって言ってなかったっけ?」

「関係ないわけないだろう。ザーヒルの指示がなければ、歩く事も許されない者達だぞ。」

「ええっ‼」


ああ、なんかここに来てから、驚く事ばっか。

って言うか、人間不信になりそう。


「ところでクレハ。私の部屋はあそこだ。」

ジャラールさんが指差したのは、一際大きな扉だった。
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