月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「さあ。」

カチャッと大きい割には、静かに開いた扉。

「わあ……」

高い天井。

大きなソファー。

広いテーブル。

豪華な絨毯とシャンデリア。

見るモノ全てに圧倒される。


「クレハは、そこに座るといい。」

ジャラールさんに言われた通り、大きなソファーに座る。

フカフカしていて、体が沈む。

「何か飲むか?」

するとジャラールさんは、グラスを2つ持ってきた。

「じゃあ、ジュースが飲みたいです。」

「……ジュース?」

「オレンジとかアップルとか。」

しばらく見つめ合う、私とジャラールさん。


「クレハは、お酒が飲めないのか?」

「お酒!?」

私は大袈裟に、両腕を横に振った。

「私、下戸です!」

「下戸?お酒が飲めないと言う意味か?」

「はい。」

なんとか分かってくれたのか、急に手を叩いて、大きな音を出した。


「はい、王子。」

「すまんが、オレンジかアップルのジュースを、持ってきてくれ。」

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