月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「ハハハッ!あの廊下に並んでいた女性達か?クレハは面白い冗談を言う。」

「えっ……だって……」

「クレハは俺が、不特定多数の女性と、遊んでいると思っているのか?」


今まで私なんて気取った言い方だったのに、急に俺になるなんて、不意討ち過ぎだ〜。


「いえ、思っていないです。」

「よかった。」

ジャラールさんはニコッと笑うと、スッと立ち上がった。

「ジュースを持ってくるのが遅いな。」

「は、はい。」

「ジュースの代わりに、果物でも食べよう。オレンジもある。ああ、そうだ。グレープフルーツもレモンもある。」

ジャラールさんは棚まで行くと、バスケットの中から、いろいろな果物を持ってきた。

「待っていろ、クレハ。」

そう言ったジャラールさんは、ナイフを取り出すと、オレンジを切り始めた。

「ジャラールさん、果物切れるんだ。」

するとジャラールさんは、危なく指を切りそうになる。

「クレハは、俺が不器用だと思っているのか?」
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