月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「クレハ……」

ジャラールさんの切ない声。

体中が心臓になったみたいに、全身ドクンドクン言っている。

「クレハ。俺が好きか?」

「えっ?」

心臓がうるさくて、よく聞こえない。


「クレハがよければ、このままずっと、俺の側にいてくれないか?」


最後に大きくドキンと鳴って、今度は胸がキューッと締め付けられる。

何?

私の体、どうにかなっちゃったの?


その時、外から扉を叩く音がした。

するとジャラールさんの腕がスルッと外れた。

まるで何事もなかったように、扉に向かったジャラールさん。


向こう側で付き人の"ジュースをお持ちしました"と言う言葉が聞こえる。


一方の私は、あまりにも衝撃的な言葉を聞いて、その意味を理解するのに苦しんでいた。


ジャラールさんの事は好き。

でもジャラールさんの心の中には、ネシャートさんがいる。

それを知りながら、私に側にいろって言うの?
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