月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
ジリジリと迫るジャラールさんの迫力に、背筋が凍る。

「クレハ……」

名前を呼ばれ、後ろへ後退りした。


「よく教えてくれた。感謝する。」

そこにはいつもと変わらない、ジャラールさんの笑顔があった。

「えっ?」

「正直、クレハから預かったペンダントをネシャートに渡しても、彼女の病はよくならなかったんだ。」


あのペンダントを渡した?

ネシャートさんに?


すると座っている床から、カシャンと言う音がした。

「これ……」

「あのペンダント……」

「キャアアッ!」

私は恐ろしくなって、そのペンダントを投げ飛ばした。

「クレハ?」

慌ててジャラールさんが、ペンダントを拾いに行く。


「どうしてそれが、ここにあるの!?」

「どういうことだ?」

ジャラールさんが、ペンダントを持って来る。

「だって私、この服に着替えた時に、そのペンダント入れてない‼」

怯える私を他所に、ジャラールさんはペンダントをじっと見つめる。
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