月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「そうか……クレハを新しい主人に迎えたのだな。」

そう言うと、ジャラールさんはペンダントを、私に差し出した。

「い、いらない。」

「いや。これはクレハが持つべきモノだ。」

でも私は、首を横に振る。


「クレハ。聞いてくれ。」

私はそれにも、首を横に振る。

「このペンダントは、持ち物と一心同体。持った覚えもないのに、勝手についてくるモノなのだ。」

「えっ?」

私はペンダントについている宝石を、そっと見つめる。

妖しく光る碧色。

何だか勝手についてくると言われても、納得するかもしれない。


「母達一族は、この宝石に守られていた。長は、代が代わるとこの宝石を取りに行き、認められ宝石が勝手についてくるようになって初めて"長"だと認められたのだ。」

「そんな!この石が?」

「逆に宝石に認められない"長"は、その椅子から引きずり降ろされた。」


人の一生も決めてしまう宝石が、今、目の前にあるなんて!!
< 185 / 300 >

この作品をシェア

pagetop