月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「そうだとしたら、この宝石が認めたのはクレハ、君だ。俺ではない。もう一度言う。この宝石は、クレハが持つべきだ。」

「ジャラールさん。」

私はジャラールさんから、ペンダントを受け取った。


「私が持っていて、いいの?」

「ああ。だって、妖精はこの国に、宝石はいらないと言ったのだろう?」

私は顔を上げた。

そこには、吸い込まれそうな瞳をしたジャラールさんがいる。


「それにしても、俺が一族の長ではなくてよかった。」

「えっ?」

「宝石は俺ではなく、クレハに付いていくなら、とっくに一族の椅子を引きずり降ろされていた。」

「私に?」

「ああ。」

こんなに美少年の強い長がいるのに、異世界から来た訳の分からない女子高生に、玉座をおわれる。

そんな冗談にならない冗談に、私達は可笑しくなる。

「ハハハッ!可笑しい!」

「ハハハッ!」

目を細目ながら笑うジャラールさんは、やっぱり素敵な人だ。
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