月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「やっと泣き止んだな。」

ジャラールさんの温かい手が、私の頭を撫でてくれる。

「大声で泣き始めた時には、どうしようかと思った。」

そして、さっきまでのワンワン泣きじゃくっていた自分を思い出して、顔から火が出そうになるくらい恥ずかしくなる。


きっとジャラールさんの恋愛の相手は、私みたいに子供じゃなくて、素敵な大人だったんだなと思う。

そりゃあ、困るよね。

自分を好きになってくれなきゃいやだああって、目の前で泣かれたら。

「ごめんなさい。もう大丈夫です。」

とりあえず頭を下げる。

こんな子供のお守りみたいな事してくれたんだもん。

謝るのは当然だよね。

「いや。やっぱりクレハは、面白い女だよ。」

ジャラールさんのそんな優しさが、余計に私を恥ずかしくさせる。


「じゃあ、クレハが大丈夫になったところで、俺は行くか。」

そう言うと、ジャラールさんは突然立ち上がった。
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