月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「ジャラールさん?」

立ち上がった時には、精悍な顔つきをしていたジャラールさんは、私を見る時はにっこり笑顔。

「なあに、せっかくクレハがここまでしてくれて、俺に大事な事を伝えてくれたんだ。これを生かせなかったら、クレハに申し訳ない。」

するとジャラールさんは、足音も立てずに扉へ向かう。


「クレハ。俺は今からハーキムのところへ行って、今後の作戦を練る。」

「えっ?ハーキムさんのところへ?」

突然過ぎる発言。

「クレハは、隣にいる俺のベッドで寝ているといい。」

そして、扉の外へ行ってしまった。


「待って!」

慌ててジャラールさんの元へ駆け寄る。

「私も行く!」

「クレハも!?」

「わ、私を寝せないで!!」


思わず叫んだ言葉に、ジャラールさんは口を開けて、ぽかんとしている。

「えっ?」

私、なんか変な事言ったかな。

「クレハ……今、自分が何を言っているのか、分かるのか?」
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