月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「何かの……手違い?」

「その本と、何か違う物が旅の中でなかったか?」

ジャラールさんに言われ、旅の間を思いだそうとするけれど、何も思い付かない。

「クレハ、何でもいいんだ。」


落ち着いて。

まずはネシャートさんが、治っていない。

宝石が必要ない。

それからそれから……


「あっ!」

私は、肝心な事を思い出した。

「私がいない。」

「クレハが?どこに?」

「本の中に。登場人物として描かれていない。」


そう。

宝石を持っていたのは私なのに、本の中ではハーキムさんが持っているとされていた。

帰りも私がいなかった。

あの時は、私なんていらないんだ、ふ〜んと思っていたけれど、まさか‼


「本には登場しない人物が、現実では関わっている。それが原因か。」

ジャラールさんは、淡々と話していたけれど、私は頭の整理がつかない。


だって私が来てしまった為に、ネシャートさんは治らなかった?
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