月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「ジャラール王子。」

護衛の人達が、直立不動になる。

「扉を開けてくれ。」

「はい。」

扉を開けると、護衛の人達は私に気づく。

まずいよ。


「ジャラール王子。そちらの方は?」

「この者は、私の付き人だ。」

「失礼しました。」

初めて会った人達が、私に頭を下げる。

不思議な感じ。


大きな扉を開けると、贅沢を施した装飾品満載の廊下が現れた。

「キレイ……」

一歩ずつ歩く度に、見たこともないような、美しいモノに目を奪われた。

「すごいだろう。」

「うん……」

「広さも俺の部屋の倍はある。」

「ええっ!?倍?」

ジャラールさんの部屋だって、相当な広さだよ?


「次の国王になられる方だ。格が違う。」

「次の国王……」

思わず息を飲む。

背筋が真っ直ぐになる。


もしかしたら、私。

とんでもないところへ来ているんじゃないか……


そして長い廊下の真ん中辺りに来た時だ。
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