月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「はい。」

ようやくラナーを捕まえた時も、護衛達は手が震えていた。

「……ラナーは、そんなに偉い人なの?」

「ああ。俺の次に偉いんじゃないか?何せ次期国王の侍女だからな。」

「そ、そんな人が……ネシャートさんを?どうして……」

「知らぬ。後で本人に聞くしかないだろう。とは言っても、答えぬとは思うがな。」


どうして、あのラナーが?

自分の主人を?

例えるなら、ハーキムさんがジャラールさんに毒をもるのと一緒じゃない。

そんな事!!


「どうしたのです?」

奥の部屋から澄んだ声が聞こえた。

「ネシャート。」

「ジャラール。なぜここに?」

お互い近づくと、体を寄せ合う二人。

手を触れるわけでもなく、抱き締め合うわけでもないのに、二人の仲睦まじさは分かる距離。


あっ、もしかしたら……

この人が……


見とれている私に気づいたジャラールさんは、私にこう告げた。

「クレハ。この方が未来の国王、ネシャート王女だ。」
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