月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「会いたかった……ネシャートさんに。」

するとネシャートさんは、私の左手を両手でそっと握りしめてくれた。

「私もあなたの事は、ジャラールから聞いてました。」

「ネシャートさん……」

「会いたかったのは、私も同じです。クレハ。」

握りしめてくれた手が、とても温かい。

優しさが伝わってくる。


「さあ、座りましょう。二人とも。」

ネシャートさんは、私とジャラールさんをソファに座らせた。

「ジャラール。実は私の体調不良の原因が、ラナーにある事は、薄々気付いておりました。」

「ネシャート?」

驚くジャラールさんは、ネシャートさんの肩にそっと触れている。

大切なモノを扱うみたいに。

「なぜ黙っていたのだ?こんなになりながら。」

「ラナーは、幼い頃から私に付いてきてくれた侍女です。反逆など起こすような人間ではない事は、私が一番に理解しています。きっと何か理由があるのです。」
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