月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
私は立ち上がった。

「お二人とも、もうお休み下さい。私は、元の部屋に戻りますから。」

「クレハ。」

ジャラールさんは、ネシャートさんから離れた。

「部屋に戻るのか?ならば、俺も一緒に……」

「ううん。ジャラールさんは、ネシャートさんの側にいてあげて。」

「クレハ?」

「その代わり、ジャラールさんのベッド。一晩貸して下さい。」

ジャラールさんは、私を見ながら、優しく微笑んでくれた。


「ありがとう。クレハ。」

ジャラールさん。

本当に嬉しそう。

「クレハ。ありがとう。」

ネシャートさんも、満面の笑みを浮かべてるよ。

もしかして、二人きりで会う時間がなかったのかな。


「お休みなさい、ジャラールさん。ネシャートさん。」

「お休み、クレハ。」

二人にバイバイして、部屋を出た。

扉を締める時、隙間から二人がキスしているのが見えた。

他人の生チューなんて、生まれて初めて見たよ。
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