月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
軽い足取りで階段を一番下まで降りると、すぐハーキムさんの牢屋が見えた。

「クレハ!」

ハーキムさんが、私の姿を見つけて、飛んできた。

「さっき、新しい罪人が牢屋に来た。上で何かあったのか?」

新しい罪人?

ハーキムさんは知らない?

その人がラナーだと言う事を。


「ハーキムさん。実は、牢屋に連れて来られた人、ラナーなの。」

「何だって?」

「ラナーが、ネシャートさんに毒入りの飲み物を渡したところを、ジャラールさんが見たの。」

「……渡しただけだろう。本当に毒は入っていたのか?」

私は、一度だけ頷いた。

「持っていた飲み物を、水槽の中に入れたら、魚は死んでしまった。それで……」


ハーキムさんは、そのまま膝をついてしまった。

「なんて事だ。何かの間違いじゃないのか!!」

「ハーキムさん。」

「ラナーは、小さい時からネシャート王女に付いていたのだぞ?命を狙うなんてそんな!!」
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