替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
次の日、宿の前に迎えの馬車が来た。
城まではそう遠くもないはずだが、なんともごたいそうなことだ。



馬車に20分程揺られた頃、窓の外に城が見えた。



(あれは……!)



私の目は、塔にはためく旗に釘付けになっていた。
私は、そこに描かれた紋章を知っている。



そう…私の持っているペンダントに彫り込まれたものと同じものだ。



城が近付くにつれ、鼓動がどんどん速くなる…
どういうことだ?
私のペンダントは、ヴァリアンのものだったのか?
しかし、それはなぜだ?
私とヴァリアンにどんな関係が…!?



やがて馬車は、城の門の前で止まった。
気にはなるが、今は気持ちを切り替えなくてはいけない。
今日は、ルーサーに会うためにここに来たのだから。
私は深呼吸をして、気分を落ち着かせた。



「カナール様、どうぞこちらへ…」

執事と思われる中年の男に促され、私は城に足を踏み入れた。
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