替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「やぁ、フェルナン…良く来てくれたな。」

「お招き、どうもありがとうございます。」

「さぁ、早く私の部屋へ行こう。」



ルーサーは、私を歓迎してくれた。
今まで城の中に入ったことなど一度もないから、内心とても緊張していたが、私はそれを悟られないように平静を装った。
城の中でも、あの紋章を何度か目にすることがあり、その度に心がざわめいた。



もしかすると、私のあのペンダントをルーサーに見せれば、何かがわかるかもしれない。
だが、それにはリスクが伴う。



もしも、見せるとしても、きっと、それは今ではない。
ルーサーともっと強い信頼関係を築けてからだ。



「ここが、私の部屋だ。」



大きな扉を開けて入って行くと、そこは明るい日差しの入る気持ちの良い部屋だった。
さすがは、一国の王子の部屋だ。
私が今まで暮らしてきた家とは、まるで違う。
そもそも、比べること自体、馬鹿馬鹿しいことなのだけど…



今、私がここにいること自体、どこか信じられないような気がする。
シェザーが得意だということだけで…ニセモノの貴族となり、こんな所にいるのが、内心怖ろしくもある。



「さぁ、そこにかけたまえ。」

「ありがとうございます。」

ルーサーの向かいのふかふかした椅子に腰掛ける。
ルーサーは、とても機嫌が良さそうだ。
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