幼なじみとナイショの恋。
ううん。
違う。違うよお母さん。
本当のはるくんは、とっても優しいんだよ。
今だって、きっと私がお母さんに怒られないように、わざとあんなことを言ってお母さんの意識を逸らしてくれたんだ。
私たちの関係がお母さんに知られてしまわないように、“関わりたくない人”だなんて言ってみせた。
はるくんは、私と私達の関係を守ってくれたんだよ。
「結衣。あの約束、ちゃんと覚えているわよね?」
「……うん」
「あの子には、絶対に関わらないでちょうだい」
お母さんにこの言葉を言われるのは、もうかれこれ何度目だろう?
私とはるくんは、小さな頃から仲良くすることを禁じられている。
さっきみたいに、楽しく会話をするなんて以ての外。
近づくことすら許してもらえない。
これ以上、私がお母さんの負担にならないようにするのであれば、言うことを聞くべきなんだろう。
はるくんとは、関わるべきじゃない。
きっとそれが、お母さんの為。
だけど────。
「……わかってるよ。大丈夫。心配しないで。彼とはもう、何年もまともに話してなんかいないから」
だけど私はお母さんに、大きな隠し事をしている。