幼なじみとナイショの恋。
その声に、はっと顔を上げる。
遥……とは、私のお母さんの名前だ。
私を睨みつけていたお母さんが、その声のした方を振り返る。
誰だかわからないけど、天の助け!!
なんて思ったのは大間違い。
『夏……葉(なつは)……?』
お母さんの表情が一瞬にして氷ついた。
こんなお母さんの顔見たことがなくて、何だかすごく嫌な予感がした。
『何やってるの。お母さん』
『あれ?悠斗』
気がつけば、夏葉さんという人の隣にははるくんが立っていた。
私と遊ぶために持ってきたのか、手にはサッカーボールを抱えている。
一方、夏葉さんは両手にスーパーの袋を下げていて、きっと買い物帰りなのだろう。
『いつも悠斗が遊んでるのって、この子?』
『そうだよ』
ん?
つまり、これって……。
『はるくん。その人、はるくんのお母さん?』
『うん』
やっぱり!!
よく見たら、夏葉さんははるくんとよく似ていた。
とても美人で、優しそうで、理想のお母さんて感じの人。
はるくんのお母さんは私の視線に気が付くと、目を細めて柔らかく微笑んでくれた。
笑った顔も、やっぱりはるくんにそっくりだ。
また、はるくんのことを一つ知れた気がして、すごくすごく嬉しかった。
だけど────。