幼なじみとナイショの恋。

そうこうしているうちに、教室の前に辿りついた私は、お母さんに気づかれないように辺りを確認した。



大丈夫。


まだはるくんのお母さんは来ていない。


後は、面談が終わった後さえ鉢合わせなければ、何事もなく今日という日が終わるはず。



胸に手を当て、ドクドクとうるさい心臓の音を宥めていれば「蒔田さん。お入りください」と先生が教室から顔を出した。



どうか。


どうかこのまま無事に、今日一日が終わりますように。



そう願いながら、お母さんと一緒に教室へと足を進めた────。













「───と、いうわけで、娘さんは本当に優秀で、今のところご心配するようなことは何もないですよ」


「そうですか。安心しました。ありがとうございます。今後とも、よろしくお願い致します」



先生とお母さんが話しているのを私はどこか上の空で聞いていた。


気になるのは、教室にある掛時計。


始まってからもう、何度確認したかわからない。



予定の終了時間まであと10分もある……。



面談は思ったよりもサクサク進んで、予定よりも早く終わりそうな雰囲気だった。


はるくんが、面談の時間ギリギリに来るようはるくんのお母さんに伝えてくれると言っていたから、今終われば鉢合わせはまずないだろう。


やっぱり私、心配しすぎだったかな……。
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