幼なじみとナイショの恋。
お母さんはきっと、私がはるくんを思って落ち込んでいることすらよくは思っていないだろう。
だから、このことで私が学校を休めば、きっと黙ってはいないと思う。
またはるくんのことをあれこれ悪く言われるに違いない。
そんなのは、絶対に嫌だ。
いつもより少し早めに学校に着いた私は教室の前に着くとピタリと足を止めた。
恐る恐る教室の中を覗き込み、はるくんが登校しているかどうかを確認する。
よかった……。
まだ来てはいないみたいだ。
厚木くんの姿もないから、もしかしたら部活の朝練に出ているのかも。
それならきっと、もうすぐ教室にやってくるはず。
私は、足早に自分の席へと向かう。
席に着くと手早く朝の用意を済ませ、いつはるくんが登校してきてもいいように、自身の席で息を潜めていた。
こんなにも、クラスの空気になりたいと願ったのは初めてかも……。
はるくんが登校してきたらどうしようとか、どんな顔をしていればいいんだとか、そんなことばかりで頭がいっぱいだった。
……こんなんじゃダメだなぁ。
これからも毎日学校で顔を合わせなくちゃいけないっていうのに。
これじゃ、私の心がもつかわからない。
はるくんの手を離すって、自分が決めたことなんだから、もっとしっかりしなくちゃ……。