幼なじみとナイショの恋。

そう自分に言い聞かせるけど、ちっとも前向きな気持ちになれないのは何でなんだろう?


しっかりするって……何?


はるくんがいないことに、慣れるってこと?


はるくんのことを考えても、こんな風に胸が痛くなることも、苦しくて息ができなくなることも、いつかなくなる日がくるのだろうか……。


早くそうなってほしいと思う反面、そんな自分を想像して、また胸が苦しくなった。





「こらー。そこのバスケ部二人ー。ネクタイちゃんと締めなさーい」


「先生〜今だけ勘弁して〜!俺らこのあっつい中、朝から汗ダクになるまで走り込みさせられたの〜!」



廊下の方から、厚木くんの声が聞こえてきてはっとする。



「厚木はともかく、尾上〜。お前まで、そんな格好して。無駄に女子達を悩殺するんじゃないよ」


「厚木はともかくって言った!!今厚木はともかくって言った!!」



……はるくん達、教室の前の廊下にいるんだ。


廊下から聞こえてくる楽しげな話し声に気づいたクラスメイト達が、何だ何だと廊下の様子を窺いに出ていく。



「まーいいか。二人とも見逃してやるから、授業までにはしっかりネクタイ締めとけよ〜」


「はーい」



あ。入ってくる。


そう思った時にはもう遅くて。



「はよーっす!」



元気に挨拶をする厚木くんに続いて、はるくんが教室へと入ってきた。
< 207 / 341 >

この作品をシェア

pagetop