幼なじみとナイショの恋。
お母さん達が揉めている時、周りにチラホラと生徒がいたのを思い出す。


そっか……。


あれだけのことがあったんだもん。


噂にならないわけがないよね。



「それで、どうしてあんたは尾上から逃げてるわけ?」


「……っ」


「尾上の側にいること、とうとう諦めたんだ?」



鋭い古賀さんの瞳が私の心臓までも貫いてくる。



諦めた……?


……ううん。違う。



「諦めたんじゃ……ないよ。そもそも初めから、私なんかがはるくんの側にいたいと思うこと自体間違ってたの……」



はるくんの隣にいると世界がキラキラして見えた。


まるで、そこに自分の居場所があるかのように勘違いをして、はるくんの瞳に映る自分を見るたび幸せな気持ちになって。


だから、いつの間にか忘れてしまって
いたのかもしれない。


はるくんの側にいられることは、奇跡なんだということ。


私が諦めなかったからってどうにかなるようなことじゃない。


諦めようと、諦めなかろうと、運命には逆らえない。



「“私なんかが”……ね」



古賀さんが小さく苦笑する。



「もう少しまともなヤツだと思ってたけど、そうでもなかったかな」


「古賀さ……」


「私、やっぱりあんたのこと嫌いだわ」
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