幼なじみとナイショの恋。

えっと、確か交番は……。



古賀さんに言われた通り、待ち合わせの交番を探していると。



「あ!蒔田さん!こっちです〜!!」



見覚えのある人影が、こちらに向けて大きく手を振っていた。



「い、井田さん!?」


「お久しぶりですー!」



何で井田さんがここに?


さっきは、確かに古賀さんからの連絡だったはずなのに……。



頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになりながらも、井田さんに駆け寄っていくと。



「あ」



井田さんがいるすぐ側の柱の影に、古賀さんの姿があった。


スマホに向けていた視線をゆっくりとこちらに向ける古賀さん。


そんな古賀さんと視線がぶつかって、つい反射的に目を逸らしてしまった。


何やってるの私!


目を逸らすなんて感じ悪いでしょ!


だけど、嫌いと言われてしまっている手前、やっぱり少し気まずくて……。



「遅い」


「え!あ!ご、ごめんね!き、今日は突然どうしたの?」


「行くよ」


「え!?ちょ……古賀さん!?」



私の問いを無視して古賀さんは先を行ってしまう。



行くって、一体どこへ……?



助けを乞うように井田さんを見ると、井田さんはニッコリと微笑んで「とりあえず、ついて行きましょ!」と私の背中を押した。













「えっと……これは……」
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