幼なじみとナイショの恋。
「足は綺麗だから、スカートはいいね。でも、これは却下。はい。次これ着て」
「え、えぇ〜」
「え〜じゃない。さっさとして」
古賀さんにまた別の服を渡された私は、抗議を試みようとしたものの、さっさとカーテンを閉められ遮られてしまった。
……古賀さん、さっきから私の声聞こえてますか?
トホホと肩を落とし、また言われた通り着替え始めた。
それから私は、着せ替え人形にでもなったかのように、古賀さんが次から次へと持ってくる服に着替えた。
古賀さんの「よし。OK」と井田さんの「か、完璧です!」の言葉を頂いた時には、もう何着着たかもわからなくなっていた。
今の私は、恐らくげっそりという言葉がピッタリだと思う。
よ、ようやく元の服装に戻ることができる。
みそぼらしいなんて言ってごめんね。
やっぱりキミ達が一番落ち着くよ。
なんて、心の中で元の服に話しかけながら着替えようとしていた。
だけど。
「あ!そのまま着て帰ってOKなので、着替えないで待っててくださいね」
と、何やらスタッフの人と話し込んでる井田さんに制止されてしまう。
「え?でも……私お金……」
「ここのブランド、井田の父親が経営してるんだと」
「経営……ええぇ!?!?」
驚く私に、古賀さんはさらに追い打ちを掛けてくる。