幼なじみとナイショの恋。

どうやら古賀さんは、行き先を教えてくれるつもりはないらしく、さっきからずっと黙ったまま。


話しかけても、今みたいに軽くあしらわれてしまう。


今日はことごとく質問を無視されている気がするなぁ……。


でもなんだか、古賀さんのこういうのにも不思議と慣れてきちゃった。


古賀さんが、本当は優しい人だって知っているから、どこかで安心しているのかも。


今まで、私から離れていった子達は、私の知らないところで私に不満を持ち、私の知らないところで陰口を言っていた。


だから、私自身も何が彼女達の気に触ったのかわからなくて、対処が遅れてしまったんだと思う。


そして気づいた時には、みんなとの間に大きな溝ができていた。


だけど、古賀さんは何も言わず離れていったりしない。

いつも私のダメなところをちゃんと言葉にして、向き合う機会をくれる。


古賀さんの言葉はズバリ直球だから、もちろん落ち込むこともあるけど、何も言わず離れていかれるよりずっといい。






いつの間にか窓の外には見慣れた風景が広がっていた。


今乗っている電車は、私が学校に行く時に使っているローカル線。


普段登校する時は、学生や通勤中のサラリーマンでかなり混みあっているけれど、休日は比較的すいている。
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