幼なじみとナイショの恋。

「……でも、伝えられなかった。自信がない私は、自分は彼の……優の足でまといでしかないと思っていて。優との未来まで望むなんておこがましくて。嫌われたらどうしようって、そう思うと怖かった」


……同じだ。


その時の古賀さんの気持ちが痛いほどわかる。


私と古賀さんは、大切な人を大切に想うあまり、前に進むことができなかった。



「このまま好きでいられるのなら、私の想いは届けなくてもいいって、そう思ってた」


「……古賀さん……」



怖いよね。


大切な人の未来を背負うのは。


傷つかない保証も、傷つけない保証もなくて。


自分が彼の人生を台無しにしてしまうかもしれなくて。



『隣にいたのがコイツじゃなければ』なんて、いつかもし思われてしまったら。


もう二度と、私達は自分を許すことなんてできないから。


だったら多くは望まずに、ただただ側にいたかった。



「だけど……古賀さんは私とは違う。古賀さんは、こうして変わることができた。今なら自信を持って、優さんに伝えることができるでしょう？」



そう。


古賀さんは変わったんだ。


昔の古賀さんがどうだったかなんて知らない。


だけど今、私の目の前にいる古賀さんは、間違いなく強くてぶれない心を持っている。


真っ直ぐな瞳を持っている。