幼なじみとナイショの恋。
しかし、本人はというと、どちらかと言えば男嫌いで、妬まれやすい自分の顔立ちにコンプレックスを感じていたらしい。
性格は快活で、誰とでも仲良くなれるタイプで幅広く友達がいた。
一方、
私のお母さんは、物静かで内向的な性格。
基礎は整った顔立ちをしているのに、地味な装いを好むせいで、異性から関心を持たれることは少なかった。
さらに、一人でいることが好きな性格ということもあって、友達との交流も少ない。
学年ではトップクラスの成績だったのに、それすらほとんど誰も知らないくらい、目立たない生徒だったという。
私の想像していた学生時代のお母さんとはあまりにもかけ離れていて、それを聞いた私は信じられない気持ちでいっぱいだった。
お母さんのことだから、誰もが羨むような美人で、勉強ができて友達もたくさんいて、さぞかし目立っていてたんだろうと思っていたから。
「私と一緒にいるせいで、遥は自分も一緒に注目を浴びてしまうことに、苦痛を感じ始めていたんだと思うの」
「苦痛……ですか?」
「そう。影では、私の金魚のフンだって囁かれることもあるって当時の遥は笑いながら話してた。頭にきて私が文句つけに行こうとしたら“ほっとけばいい”って止められてしまったけどね」
はるくんのお母さんは、肩を竦めてみせる。
「私にとって、遥といる時間は何よりも心安らげて、何よりも楽しい時間だったの。それなのにそんなふうに言われて腹が立った。むしろ、私の方が遥を必要としてたのに……」