幼なじみとナイショの恋。
確かに、お母さんのことを何も知らない人は、特段好印象を抱くことはないかもしれない。
だけど、はるくんのお母さんは、そんなお母さんに良いところたくさんあるのを知っていた。
だからこそ、はるくんのお母さんは周囲の人間のお母さんに対する風当たりに腹が立って仕方がなかった。
そんなことのせいで、自分達の関係がギクシャクしてしまうのも……。
そんな中、ついに決定的な出来事が起きてしまう。
「遥がね、ある派手な女子グループのイジメの標的になってしまったの」
「……え?」
「というよりも、私が気づくずっと前から、私の知らないところでイジメにあっていた」
……お母さんが……いじめに……?
「私が知った時には、既にイジメはエスカレートしていて、普段使うことのない女子トイレに入ったら、たまたまその瞬間を目撃してしまって……」
はるくんのお母さんが見たものは、お母さんがハサミで長い髪を切り落とされている瞬間だったという。
「……っ!」
考えただけでゾッとした。
そんな目に会っていたお母さんの気持ちも、それを目撃してしまったはるくんのお母さんの気持ちも、思えば思うほど胸がえぐられるように痛んだ。
はるくんのお母さんもまた、当時の気持ちを思い出し、苦痛で顔を歪めている。