幼なじみとナイショの恋。
「遥をいじめていた子達を蹴散らして、遥に駆け寄った時には、もう手遅れだった。切られてしまった髪も、私達の関係も、もうどうすることもできない状態になってて……」
────“触らないでっ!”
────“夏葉がいなかったら、私はこんな目に遭わなかった!”
────“みんな夏葉と私を比べて笑ってる!本当は、ずっとずっとそれが苦しかった!”
────“夏葉となんて出逢わなければよかった!もう、私に近づかないで!”
お母さんは、涙を流しながらそう叫んで、はるくんのお母さんの前から去って行ったという。
「遥がずっとそんなふうに思っていたと知ってショックだった。それと同時に、遥のその気持ちに気づくことができなかった自分がすごくすごく腹立たしかった」
きっと、お母さんにとってはるくんのお母さんは憧れの存在だったんだ。
だからこそ、いつからか自分とはるくんのお母さんとの違いに敏感になり、劣等感を感じるようになっていた。
周りからの評価やイジメが発端となって、劣等感はやがて憎しみに変わっていく。
“夏葉と出逢わなければ、苦しむこともなかったのに”
“周りと比べられずにすんだのに”
だけど、そんなふうに思う自分も大嫌いだった。
醜くて、かっこ悪くて、汚くて。
何よりも、お母さんは、はるくんのお母さんが大好きだったから。