幼なじみとナイショの恋。

“夏葉になんて、出逢わなければよかった!”



そう言ってしまったけど。



「私はね、“はるくんに出逢って良かった!”って、ずっとずっと心からそう思ってるの」



だからかもしれない。


私とお母さんはよく似ているけど、お母さんのように憧れが憎しみに変わらなかった理由。


はるくんはいつだって私に、“出逢えて良かった”と思わせてくれた。



「結衣……」



自然と零れる笑みを浮かべたままはるくんを見上げると、はるくんが切なげに微笑んだ。



「ちゃんと話そう。二人で。おばさんに」


「……うん」


「大丈夫。何があっても、結衣との未来は俺が守る」



うん。


うん。


はるくんが側にてくれれば、


私は何だって、どんなことだって乗り越えられる。


そんな気がするよ。




はるくんが、カチャン…とキッチン台の上にお皿を置いた。


熱っぽい視線で見つめられ、心臓が甘く高鳴り出す。



「泡、ついてる」



クスッと息を零しながら、私の頬についていた泡を拭うと、その手が私の横髪を優しく耳にかけた。



わ…ぁ。


これって……もしかして……。



泡だらけの手からスポンジが滑り落ちる。


近づいてくる、極上に綺麗な顔とまっすぐな瞳。


戸惑いながらも、瞼をふせれば……。




────バタンッ!!



「……っ!!」

< 318 / 341 >

この作品をシェア

pagetop