幼なじみとナイショの恋。
玄関の方から大きな物音がして、私とはるくんは瞬時に距離をとった。
ひゃぁぁぁ!危ない!
私ってば、はるくんの家でなんてことを!
火を吹きそうな両頬に手を添える。
はるくんのお母さんが帰ってきたのかな?
それにしたって、何だか騒がしいような……。
「ちょ……ねぇ!落ち着いて!」
「結衣はいったいどこにいるの!?」
……え?
この声って……。
ドタバタという足音が聞こえてきたと思ったら、リビングダイニングと廊下をしきるドアがバタンッ!と勢いよく開いた。
「結衣!!あなた、こんな所で何をしてるの!?」
「お母さんっ!」
そこから現れたのは、息を荒らげ、血相を変えたお母さんの姿だった。
その後ろから、はるくんのお母さんが止めるようにお母さんを掴んでいる。
「ねぇ遥!落ち着いて話し合いましょう?」
「結衣。帰るわよ」
酷く冷ややかな声でお母さんはそう言うと、私の手首を掴んで強引に連れ去ろうとする。
「待ってお母さん!!」
「帰ったら、直ぐに留学の申請書を記入しなさい。口答えは許さない」
「待ってってばっ!!!!」
掴まれている腕に目一杯の力を込め、お母さんの腕から逃れると、お母さんは足を止め、切羽詰まった表情を向けた。
「私の話を聞いて!!!!」
「結衣……?」