幼なじみとナイショの恋。

玄関の方から大きな物音がして、私とはるくんは瞬時に距離をとった。


ひゃぁぁぁ!危ない!


私ってば、はるくんの家でなんてことを!



火を吹きそうな両頬に手を添える。



はるくんのお母さんが帰ってきたのかな?


それにしたって、何だか騒がしいような……。



「ちょ……ねぇ!落ち着いて!」


「結衣はいったいどこにいるの!?」



……え?


この声って……。



ドタバタという足音が聞こえてきたと思ったら、リビングダイニングと廊下をしきるドアがバタンッ!と勢いよく開いた。



「結衣!!あなた、こんな所で何をしてるの!?」


「お母さんっ!」



そこから現れたのは、息を荒らげ、血相を変えたお母さんの姿だった。


その後ろから、はるくんのお母さんが止めるようにお母さんを掴んでいる。


「ねぇ遥!落ち着いて話し合いましょう?」


「結衣。帰るわよ」



酷く冷ややかな声でお母さんはそう言うと、私の手首を掴んで強引に連れ去ろうとする。



「待ってお母さん!!」


「帰ったら、直ぐに留学の申請書を記入しなさい。口答えは許さない」


「待ってってばっ!!!!」



掴まれている腕に目一杯の力を込め、お母さんの腕から逃れると、お母さんは足を止め、切羽詰まった表情を向けた。



「私の話を聞いて!!!!」


「結衣……?」
< 319 / 341 >

この作品をシェア

pagetop