幼なじみとナイショの恋。

私がお母さんにこんなにも大きな声を出したことが、今まであっただろうか。


お母さんの鬼のような形相が驚きに変わり、私を凝視した。


「私は、留学はしません!私には、離れたくない大切な友達がいるの!!」



意外だったのか、お母さんはさらに目を大きく見開いた。



「これから、たくさん話して、お互いのことを知って、その人達ともっともっと仲良くなりたいと思ってる!!」


「何を……だって、あなた……」



うん。


昔のお母さんと同じ。


ずっとずっと、友達なんていなかった。


お母さんはそんな私と自分を重ねていたんだもん。


驚くのも無理ないよね。



「私、ずっとずっと一人ぼっちになるのが怖かった。今まで、友達と呼べる友達なんていなかったし、引っ越してきてから、お母さんは私をみてくれなくなったから」


「……っ」



わかってる。


私を不自由させないために、休みも惜しまず働いてくれていたってこと。


劣等感を抱く自分が嫌いだからこそ、そうならないために人一倍頑張っていたということも。


はるくんのお母さんと再開してまた、昔の自分を思い出して怖かったんだよね?


昔の自分に戻ってしまうんじゃないかって、怖かったんだよね?


だから、働くことでその恐怖に追いつかれないように必死だった。


でもね?お母さん……。
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