幼なじみとナイショの恋。
「私、寂しかった。悲しかった。このまま、一人ぼっちになっちゃったら、どうすればいいんだろう?って、いつも怖かった」
私も本当は寂しかったの。
もっとお母さんと話したかった。
もっとお母さんの笑顔が見たかった。
「でもね。それでも、私が寂しさに潰されなかったのは、はるくんがいてくれたからだよ!」
はるくんの名前を聞いて、お母さんの眉がピクッと動いた。
「はるくんがいなかったら、友達だってできなかったかもしれない。笑うことすらできなくなっていたかもしれない。はるくんがいたから、今の私がいるの!!!」
はるくんの側にいたらどんどん自分は弱くなっていくんじゃないかって、ずっと怖かった。
守られて、甘やかされて、はるくんがいなくちゃ生きていけなくなってしまったらって。
そんな自分になるのが怖かったんだ。
だけど、違かった。
はるくんがいるから、弱くなるんじゃない。
私は、はるくんがいるから、強くなれるんだ。
はるくんがいたから、こうしとお母さんと向き合おうと思えた。
はるくんとの未来を守るためなら、何だって出来ると思えた。
「だから私、留学はしない!!
ずっと、ずっと、これから先も、はるくんのいない未来なんて絶対に考えられない!!」
しん、と静まり返る空気。
その間も、お母さんの目をずっと見続けた。