幼なじみとナイショの恋。
料理は嫌いじゃないから、可愛いお弁当を作ってみたいなぁなんてことも思うんだけど、毎日一人でお昼を過ごす私には可愛いお弁当を自慢できる相手もいないし。
虚しい気持ちになっても嫌だから、いまいち踏み切れないでいる。
いつか、友達ができたら、お弁当の見せ合いっことかしてみたいなぁ。
なんて。
そんなことを考える前に、この内気な性格をどうにかしなきゃだよね。
「いただきます」
カツサンドを手に取りパクリと一口。
ん〜!やっぱり最高に美味しい〜!!
ネガティヴな気持ちは、お腹を満たして消し去ってしまおう!
なんて考えながら、二口目を頬ばろうとしたら……。
「やり。今日はカツサンドじゃん」
カツサンドは私の口に向かうのではなく、ガブッと言う音を立てて、大きな口にかぶりつかれてしまった。
「うま」
「は、はるくん!?」
「結衣ってさ、昔から見かけによらずガッツリしたのばっか食うよね」
カツサンドを持つ私の手首を掴んだまま、一口でカツサンドの半分を食したはるくんが、唇についたソースを舐めとりながら私を見下ろしていた。
か、間接キス……!!
ってバカバカバカ!!
何考えてるの私!!
はるくんは昔からよくこういうことをするけど、特に意味はないんだってば!