イジワル専務の極上な愛し方
「は、はい……」

ここへ来たからには、当然“覚悟”はしてきたつもり。翔太さんの優しさや、普段から感じている尊敬の気持ち。

そして、彼の私への想い……。

どれもが私には大切に思えて、もっともっと大事にしたいからこそ、ここへ来た。

だけど、やっぱり緊張する……。

彼についていくと、寝室は廊下を曲がった先の奥にあった。

「入って」

翔太さんがドアを開けると、目の前にはリビングと同じく夜景が目に飛び込んできた。

「どのお部屋からも、外の景色が見えるんですね」

やっぱり、ここもいい匂いがする……。

「そうだよ。気に入った?」

「素敵だなって、思います。それに、翔太さんも、翔太さんの身の回りのものも、いい香りがしますよね?」

照明を落としているからか、よりロマンチックに感じる。輝くネオンも、甘い香りも……。

「そうかな? 俺には、彩奈のほうがいい匂いがすると思うけど」
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