クール彼氏とツンデレ彼女
楓真が意地悪言ってただけだなんだから。
「……そういう二人はどうなの?須藤君、お姉ちゃんと会ってみたかったんでしょ?」
「想像してたより素直な人だなって思ったよ」
優しい言い方をする須藤君を、尊敬するよ。
わがままだとか思わなかったのかね。
「でもねえ。私が無理なのよ。宿敵の弟とは付き合えない」
誰も付き合えとは言ってません。
ていうか、宿敵だったんだ。
「姉は怜南さんのことをそんなふうには見てないと思いますけど……」
「そうなの!それがまたイラつくのよね。あの見た目で性格がいいから、人気高いし」
褒めてる、褒めてる。
敵だって言ってんのに。
負けを認めてるようなものじゃないか。
「でも、驚きました。姉と面識があったなんて」
「世間は狭いって言うからね」
そんな会話をしているうちに、お姉ちゃんの目的地である服屋に着いたらしい。
オシャレに一切興味がない私は、店の外で待っておくことにした。
「何してんの」
あとから来た楓真が、店の前で立つ私をじっと見つめてきた。
「お姉ちゃんの趣味の服は私には合わないから、待っておこうと思って」